ネイピアの計算棒 証明

ネイピアの計算棒の仕組みは共通因数でくくることです。
まず2桁から。
ab=10c+d,eb=10g+hとすると、
十の位をa、一の位をeとする2桁の計算棒は、
a=(10c+d)/b,e=(10g+h)/bを踏まえると、
(10a+e)b=(10(10c+d)/b+(10g+h)/b)bの式となり、式からbの分母を消すことができます。
(10a+e)b
=(10(10c+d)/b+(10g+h)/b)b
=100c+10d+10g+h
=100c+10(d+g)+h
となり、ネイピアの計算棒は2桁部分と、1桁部分において成り立ちます。
また、
(100a+10e)b
=(100(10c+d)/b+10(10g+h)/b)b
=1000c+100d+100g+10h
=1000c+100(d+g)+10h
  となり、ネイピアの計算棒は2桁部分と、2桁部分において成り立ちます。

次に3桁。
ij=10k+l,mj=10o+p,qj=10s+tとすると、
百の位をi、十の位をm、一の位をqとする3桁の計算棒は、
i=(10k+l)/j,m=(10o+P)/j,q=(10s+t)/jを踏まえると、
(100i+10m+q)j=(100(10k+l)/j+10(10o+p)/j+10(s+t)/j)jの式となり、式からjの分母を消すことができます。
(100i+10m+q)j
=(100(10k+l)/j+10(10o+p)/j+10(s+t)/j)j
=1000k+100l+100o+10p+10s+t
=1000k+100(l+o)+10(p+s)+t
となり、ネイピアの計算棒は3桁部分と、1桁部分において成り立ちます。
また、
(1000i+100m+10p)j
=(1000(10k+l)/j+100(10o+p)/j+10(10s+t)/j)j
=10000k+1000l+1000o+100p+100s+10t
=10000k+1000(l+o)+100(p+s)+10t
となり、ネイピアの計算棒は3桁部分と、2桁部分において成り立ちます。

上記の2つの証明により、ネイピアの計算棒は異なる数の2桁をかけたとしても、足し算によって算出することができます。
よって、数学的帰納法により、ネイピアの計算棒は10^n桁×1桁において成り立ち、10^n桁×2桁において成り立ちます。
よって、ネイピアの計算棒は10^n桁×m桁によって成り立ちます。
ここで、実数としている10^nをz^nとすると、z進数による計算を行うことができます。